7:00足取(あしど)りも 軽(かる)く、家(いえ)を 出(で)た。
今日(きょう)も 激暑(げきあつ)に なりそうな 気配(けはい)である。
京阪(けいはん)の 駅(えき)まで 約15分(やく じゅうご ふん) 歩(ある)いた。
通勤(つうきん)の 乗客(じょうきゃく)に 混(ま)ざって、
大(おお)きな スーツケースを 抱(かか)えた 旅行者(りょこうしゃ)
大阪(おおさか)へ 遊(あそ)びに 行(い)く 高校生(こうこうせい)
なども 乗(の)っている。
そして、よしえ虫(むし)も 明(あき)らかに 通勤(つうきん)では ない 出立(いでたち)だ。
8月10日(はちがつ とおか)〜31日(さんじゅういち にち)に わたって、
『ジュンク堂(どう) 大阪本店(おおさかほんてん)』で
人間椅子 30周年記念 選書フェア in OSAKA(にんげんいす さんじゅっしゅうねんきねん せんしょふぇあ いん おおさか)
が、開催(かいさい)されている。
既(すで)に 東京(とうきょう)では 開催(かいさい)されたので、メンバーによる 会場(かいじょう)の 様子(ようす)の 紹介(しょうかい)の 動画(どうが)も 見(み)られる。
もちろん、よしえ虫(むし)は それを 見(み)て うらやましく 思(おも)っていた。
好(す)きで 京都(きょうと)に 引っ越(ひっこ)したのに、この時(とき)ばかりは 残念(ざんねん)で しかたなかった。
それが、大阪(おおさか)でも やってくれる!
これは 行(い)かねば なるまい!!!と、よしえ虫(むし)は 激(はげ)しく 思(おも)った のである。
動画(どうが)を 見(み)たとき、
人間椅子(にんげんいす)の 帯(おび)の かかった
江戸川乱歩(えどがわらんぽ)と
横溝正史(よこみぞせいし)と
星新一(ほししんいち)を 書棚(しょだな)に 並(なら)べたくなった。


いーなぁ〜

あれ、ほしぃ〜なぁ〜

と、ため息(いき) 交(ま)じりに つぶやいた。
今(いま)、京阪(けいはん)に 揺(ゆ)られ ながら、その 動画(どうが)を 思い返(おもいかえ)している。
帽子(ぼうし)の 下(した)の うつむいた顔(かお)には、薄ら笑(うすら わら)いが こみあげている。
えもいわれぬ 高揚感(こうようかん)が 喉元(のどもと)まで 突き上(つきあ)げてくる。
つま先(さき)は 7拍子(なな びょうし)を 刻(きざ)んでいる。
よしえ虫(むし)は ほとんど 大阪(おおさか)へは 行(い)かない。
用事(ようじ)も ないし、興味(きょうみ)も ない。
だから、土地勘(とちかん)が 全(まった)くない。
今回(こんかい)、
『ジュンク堂(どう) 大阪本店(おおさかほんてん)』に 行(い)くに あたって、京阪(けいはん)・阪急(はんきゅう)・近鉄(きんてつ)・JRの どれに 乗(の)れば いいのか すら わからなかった。
そして、はじめて 京阪(けいはん)・阪急(はんきゅう)・JRは、ほぼ 同(おな)じところに 駅(えき)が あることを 知(し)った。
そして、自分(じぶん)が まったく 関西(かんさい)に なじんでいないことも 思い知(おもい し)った。
どれだけ 住(す)んでいても、やはり、異郷(いきょう)の 民(たみ)なのだ。
8:40淀屋橋駅(よどやばし えき)に 着(つ)いた。
さて、次(つぎ)は どこから 出(で)れば いいのかが 問題(もんだい)である。
改札(かいさつ)を 出(で)て、右(みぎ)か? 左(ひだり)か?
7番出口(ななばん でぐち)から 出(で)るのが いいことは、あらかじめ 調(しら)べておいた。
しかし、7番出口(ななばん でぐち)が どこだか わからない。
右(みぎ)に 向(む)かう 人(ひと)が 多(おお)かったので、右(みぎ)に 行(い)ってみる。
一向(いっこう)に 7番出口(ななばん でぐち)は 見当(みあ)たらない。
踵(きびす)を 返(かえ)して、来(き)た 方(ほう)へ 歩(ある)く。
出(で)た 改札(かいさつ)の 前(まえ)を 通り過(とおり す)ぎ、さらに すすむ。
喫茶店(きっさてん)の 向(む)こうに 7番出口(ななばん でぐち)が 見(み)えた。
地上(ちじょう)に 出(で)ると、台風10号(たいふう じゅう ごう)による 風(かぜ)が 強(つよ)めに 吹(ふ)いていた。
帽子(ぼうし)を 押(お)さえて、黒(くろ)ずんだ川(かわ)に かかる橋(はし)を わたる。
左(ひだり)に 折(お)れ、一方通行(いっぽうつうこう)の 道(みち)を 歩(ある)く。
堂島(どうじま)アバンザの 外観(がいかん)も 予習(よしゅう)しておいた。
このまま すすめば、見(み)えてくる はずである。
8:57堂島(どうじま)アバンザに 着(つ)いた。
エレベーター ホールに 並(なら)んだ 扉(とびら)から、
『ジュンク堂(どう) 大阪本店(おおさかほんてん)』に 行(い)く エレベーターを 選(えら)んで 乗り込(のり こ)む。
しかし、
『ジュンク堂(どう) 大阪本店(おおさかほんてん)』には 止(と)まって くれなかった。

そうか、開店前(かいてんまえ)か

5階(ごかい)で 下(お)りて、下(した)へ 行(い)く エレベーターに 乗(の)りなおす。
すると、こんどは 2階(にかい)と 3階(さんがい)も ボタンが 押(お)せた。
会場(かいじょう)のある 3階(さんがい)で 下(お)りる。
きっと 本日(ほんじつ) 一人目(ひとりめ)の 客(きゃく)であろう。
店内(てんない)を 一周(いっしゅう)してみたが、
人間椅子(にんげんいす) 選書(せんしょ)フェアは 見(み)つけられなかった。
エスカレーターで 2階(にかい)に 下(お)りてみた。

いや、こっちは 明(あき)らかに ちがうな

あーあ、怪(あや)しい客(きゃく)だと 思(おも)われているの だろう。
まぁ、開き直(ひらき なお)って 3階(さんがい)に 戻(もど)る。
確(たし)か 『音楽(おんがく)コーナー』と、書(か)いてあった。
こんどは、『芸術(げいじゅつ)コーナー』から 丁寧(ていねい)に 見(み)ていく。
途中(とちゅう)の 『ダンスコーナー』の 棚(たな)の 一番上(いちばんうえ)に、CCさんの 著作(ちょさく)が 平面陳列(へいめんちんれつ)されているのを 発見(はっけん)した!
『暗黒舞踏の身体経験 アフェクトと生成の人類学』(あんこくぶとう の しんたいけいけん あふぇくと と せいせい の じんるいがく)
ケイトリン・コーカー著(ちょ)


あーーー

CCさんの 本(ほん)だ

すごーーーい

CCさん 渾身(こんしん)の 論文(ろんぶん)であり、よしえ虫(むし)も 携(たずさ)わった 書籍(しょせき)に 邂逅(かいこう)して 感激(かんげき)した。
しかも、コーナーの トップ扱(あつか)いである



出世(しゅっせ)した わが子(こ)を 見(み)る 思(おも)いだ。
もちろん、よしえ虫(むし)は CCさんの サイン入(い)りの ものを 所有(しょゆう)している から、本屋(ほんや)で 買(か)うことは なかった。
しかし、実際(じっさい)に 本屋(ほんや)に 並(なら)んでいる 姿(すがた)を 見(み)ると、感慨深(かんがい ぶか)い ものがある。
思(おも)いがけない 感動(かんどう)を 抱(いだ)きつつ、さらに
人間椅子(にんげんいす) 選書(せんしょ)フェアを 探(さが)す。

どぉ〜こぉ〜

通路(つうろ)を 行(い)ったり 来(き)たり、うろうろ するばかり。

ここにもーない

そこにもーない

どこにもーない

どこでもーない

と、歌(うた)い ながら ぐるぐる 歩(ある)く。
しばらくして、さきほどの ダンスコーナーの 反対側(はんたいがわ)の 壁(かべ)が 目(め)に 入(はい)った。

あったぁ〜


東京(とうきょう)の 会場(かいじょう)を イメージしていたので、なかなか 目(め)に入(はい)らなかったのだ。

やっぱり、関西(かんさい)だから かなぁ〜

と、思(おも)いつつ 撮影開始(さつえいかいし)


東京会場(とうきょうかいじょう)ほどの 種類(しゅるい)もなく、
『月のアペニン山(つきの あぺにん さん)』所収(しょしゅう)の
『楢山節考(ならやまぶしこう)』深沢七郎(ふかざわしちろう)著(ちょ)は、売り切(うり き)れていた。
よしえ虫(むし)が 撮(と)りたかった 写真(しゃしん)もない。

ない

ない

ない

と、歌(うた)いつつ 写真(しゃしん)を 撮(と)る。

今回(こんかい)の 特典(とくてん)は
『ヘドバン』に ポストカードが ついてくること。
もちろん、購入(こうにゅう)する。

それから、お目当(めあ)ての 3冊(さんさつ)も。
本(ほん)を とるときに、ポップを はがしてしまった。
すみません





それから、CDも 1枚(いちまい)

両手(りょうて)で 本(ほん)や CDを 持(も)って、レジに 向(む)かう。
カバーも かけてもらった。
帯(おび)が 大事(だいじ)だ!
さて、もう 大阪(おおさか)の 用事(ようじ)は 済(す)んだ。
こんどは、JRの 駅(えき)へ 向(む)かう。
いつものように、温泉(おんせん)に 入(はい)って、カラオケで 歌(うた)って、炉端焼(ろばたやき)を つつきながら、本日(ほんじつ) 購入(こうにゅう)した 本(ほん)を 読(よ)む つもりである。